Acrobat

Adobe IDによるサインイン無しでAcrobat DCをインストールする方法

PDFの作成や編集を行うのに「Adobe Acrobat」を導入している企業も多いと思います。

PDF本家本元のアプリケーションだけあって、安定性と信頼性は抜群なのですが、導入時に唯一面倒くさいのが、Adobe IDによる認証です。

バージョンXI(11)までは、パッケージ版であってもAdobe ID登録無しにインストールできていたのですが、バージョンDCからは初回起動時にAdobe IDによるサインインが要求されるようになりました。

1台2台の端末に導入する場合はまだしも、数十から数百といった、大量の端末に導入する場合は、いちいちサインインしていられません。

そこで今回は、Adobe IDによる認証を行うことなく、Acrobat DCをインストールする方法を紹介します。

必要なもの

  1. ボリュームライセンス版(CLP/TLP)Acrobat
  2. ※ 家電量販店等で市販されているパッケージ版のAcrobatでは、下記Customization Wizardを使うことができません。
    このWebページによると、Creative Cloudエンタープライズ版やDocument Cloudエンタープライズ版でも対応可能とのことです。

  3. Adobe Customization Wizard

Customization Wizardで、Acrobatのインストール用パッケージをカスタマイズすることで事前にライセンス認証を行い、インストール時のAdobe ID認証をスキップするわけです。

Customization Wizardによるインストールパッケージのカスタマイズ方法

※ 下記説明はWindows版Acrobat DCを対象としています。

  1. Adobe Customization Wizard」ファイルをダウンロードし、Customization Wizardをインストールします。
  2. アドビライセンスWebサイト(LWS)から、Acrobatのインストーラーファイル(例:Acrobat_2015_Web_WWMUI.exe)を適当なフォルダ(今回はC:\tmp)にダウンロードします。
  3. コマンドプロンプトから、手順2.でダウンロードしたインストーラーを「-sfx_ne」オプションを付けて実行します。(例:C:\tmp\Acrobat_2015_Web_WWMUI.exe -sfx_ne)
  4. 指示に従って、インストールファイルの展開を行います。
  5. 手順1.でインストールしたCustomization Wizardを起動します。
  6. Open Package」ボタンをクリックして、手順4.で展開したファイルの中にある「AcroPro.msi」ファイルを選択します。
  7. 左メニューにある「Personalization Options」を選択し、「Serial Number:」欄に製品のシリアル番号を入力します。
  8. Grant Offline Exception & Disable Registration」ボタンをクリック後、ライセンス認証に成功すると「Offline Exception granted successfully.」とのメッセージボックスが表示されます。
  9. EULAの表示を抑制したい場合には、同じ画面にある「Suppress display of End User License Agreement (EULA)」にもチェックを入れておきましょう。
  10. Save Package」ボタンをクリックして、パッケージを保存したら作業終了です。
  11. パッケージのあるフォルダを開くと、「AcroPro.mst」ファイルと「setup.ini」ファイルが作成されていることが確認できます。

上記手順でカスタマイズしたパッケージをインストールすると、初回起動時にAdobe IDでサインインすることなく、Acrobatを利用することができます。

Customization Wizardは、ライセンス認証以外にも、PDFプリンターの設定や環境設定をカスタマイズすることもできるので、大量の端末にAcrobatを導入する場合には非常に役立つツールです。

参考Webページ

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