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Word マクロ参考本の私的感想&評価まとめ

私は趣味でWord マクロを書くことが多く、関連書籍も何冊か所持しています。
(↓の写真みたいに本棚に並んでいます。)

Word_VBA_Books

今日は私が持っているWord マクロ参考本について、独断と偏見に満ちた勝手な感想をまとめていこうと思います。
なお、評価の基準として「わかりやすさ」「手に入りやすさ」「手元に置いておきたい度」の3つの項目を用意しました。それぞれ★の数が多いほど高評価となっています。

Microsoft Word 97/Visual Basic ステップバイステップ

出版年月 1997/9
著者 Michael Halvorson,Chris Kinata著、小田紀代訳
本の詳細 Microsoft Word 97/Visual Basic ステップバイステップ
わかりやすさ
手に入りやすさ
手元に置いておきたい度
Office 97 VisualBasic ステップバイステップのWord本です。
マクロの記録方法からWordのオブジェクトモデルの解説まで載っていて、章を追うごとに内容が難しくなっていくという、まさに“ステップバイステップ”ガイドなのですが、訳本であるためか少々取っ付き難く感じます。
内容も最新のWordと合わない部分があるため、この本を敢えて買う必要は無いかと思います。Word マクロ本マニア向けです。
 

VBA Word 97/98ハンドブック

出版年月 1998/5
著者 竹内里佳、佐藤立子
本の詳細 VBA Word97/98 Handbook HomePage
わかりやすさ ★★
手に入りやすさ
手元に置いておきたい度 ★★
マクロの記録方法や実行方法、基本的な用語の説明等が載った前半部分と、Wordの各オブジェクトのプロパティやメソッド等の説明がまとめられた後半部分の二部構成になっています。
Word 97/98が対象で大分古い絶版本ですが、載っているオブジェクトの説明は今でも通用するものが多く、手元に置いておいても損は無い本だと思います。
以前レビューを書いたことがあるので、詳しくはそちらをご参照ください。
 

10日でおぼえるWord VBA入門教室―97/98/2000対応

出版年月 1999/8
著者 大野悟、アトラス出版企画
本の詳細 10日でおぼえるWord VBA入門教室 97/98/2000対応
わかりやすさ ★★
手に入りやすさ
手元に置いておきたい度
翔泳社の「10日でおぼえる」シリーズのWord マクロ本です。
後述の「やさしくて役に立つ「マクロ」事例集」等が出版されるまで、日本語のWord マクロ参考本はこの本と上記のハンドブックくらいしか無く、一時期は定価以上の値が付くプレミア本でした。
Microsoft MVP for Wordの新田さんもツイートされていますが、私も定価以上の価格で買いました。
・・・が、今では価格も大分落ち着きヤフオクやAmazonで1,000円程度で買うことができます。
ヤフオクで960円で出品されているのを見たときは割とショックを受けました。
内容は・・・。
Word マクロ本マニア向けの一冊だと思います。
 

Writing Word Macros (英語)

出版年月 1999/10
著者 Steven Roman
本の詳細 Writing Word Macros, 2nd Edition – O’Reilly Media
わかりやすさ
手に入りやすさ
手元に置いておきたい度 ★★
Steven Roman氏が書かれた「Learning Word Programming」の改訂版で、Word 2000まで対応しています。
英語で日本語訳は無いため、英語が苦手な私がこの本すべてを理解できているかどうかは甚だ疑問ですが、内容は非常に丁寧なものです。
各オブジェクトの説明は「えっ?ここまで細かく書くの!?」と思うくらい記載されています。
英語がスラスラ読める方にはオススメの一冊です。
この本は“O’Reilly”本です。本棚にさり気なく忍ばせておくだけでデキる男感を演出することができるので、英語が読めなくてもWord マクロ本マニアならば手元に置いておきたい一冊だといえます。
 

Word Hacks ―プロが教える文書活用テクニック

出版年月 2005/7
著者 Andrew Savikas著、日向 あおい訳
本の詳細 O’Reilly Japan – Word Hacks
わかりやすさ ★★
手に入りやすさ ★★★
手元に置いておきたい度 ★★★
O’ReillyのWord本「Word Hacks」の訳本で、図も含めて日本語環境に合ったものになっています。
O’Reillyにしては図も豊富でわかりやすい本だと思います。
マクロ絡みの説明が多く載っていますが、Word マクロ専門の書籍というわけではありません。
フィールドやWordprocessingMLの説明も載っているので、Wordのことをより深く知りたい方にはオススメの本だと思います。
Perl Dev Kit (PDK)を使ってPerl製のCOMオブジェクトを作成し、それをWordから呼び出すという「一体誰が得するんだ・・・!?」と思うくらいマニアックな技法が紹介されているのも魅力の一つです。
 

Wordで実践 やさしくて役に立つ「マクロ」事例集 2003/2002対応

出版年月 2006/2
著者 西上原裕明
本の詳細 Wordで実践 やさしくて役に立つ「マクロ」事例集 2003/2002対応:書籍案内|技術評論社
わかりやすさ ★★
手に入りやすさ ★★
手元に置いておきたい度 ★★
Word マクロを嗜む方であれば、知らない人はいないのではないかと思うくらい著名なWord参考本の作者の方がこの西上原氏です。
本のタイトルに“やさしく”とありますが、初っ端からいきなりWord マクロの説明が始まっているので、VBA自体に慣れていない方には難しく感じるのではないかと思います。
ただ、さすが要点は押さえられているので、この本を読めばかなりWord VBAの理解が深まるのではないでしょうか。
オススメの一冊だと思います。
 

作って簡単・超便利! Wordのマクロ実践サンプル集

出版年月 2010/7
著者 西上原裕明
本の詳細 作って簡単・超便利! Wordのマクロ実践サンプル集[Word2010/2007/2003/2002対応]:書籍案内|技術評論社
わかりやすさ ★★
手に入りやすさ ★★★
手元に置いておきたい度 ★★★
西上原氏の「Wordで作ったWordの本」シリーズの一つです。
マクロの記録方法やVisual Basic Editor(VBE)の使い方の説明から始まっているので、上記「Wordで実践 やさしくて役に立つ「マクロ」事例集」よりは初心者向きでわかりやすいのではないかと思います。
もちろん、マクロによる半角の文字を全角にする方法や逆に全角の文字を半角にする方法、ページ書式の設定方法や表の操作方法まで載っているので、Word マクロ特有の書き方や使い方も学ぶことができます。
でも、私が一番驚いたのは“リボンのカスタマイズ方法まで載っている”ところでしょうか。
customUI.xmlファイルを用意して・・・なんて、XMLによるリボン・カスタマイズ方法が載った参考書籍は多くありません。さすが西上原氏の本だと思います。
 

最速攻略 Word マクロ/VBA 徹底入門

出版年月 2013/9
著者 土屋和人
本の詳細 最速攻略 Word マクロ/VBA 徹底入門 [Word 2013/2010/2007対応版]:書籍案内|技術評論社
わかりやすさ ★★
手に入りやすさ ★★★
手元に置いておきたい度 ★★
Microsoft Office系のITライター、土屋和人氏の著作でWord 2013まで対応しています。
以前はこちらのページでPDFが公開されていたのですが、本書の出版に伴い、現在公開は取り止めになっています。
内容としては「コメントを一括で変更する」「表の数値を一括で修正する」といった、具体例が豊富に載っているので、実際の業務に役立つ機会も多いのではないかと思います。
比較的最近出版された本なので、手に入りやすい点も魅力の一つです。
以前レビューを書いたことがあるので、詳しくはそちらをご参照ください。
 

Wordによる編集レイアウトの基本とDTP実践テクニック

出版年月 2014/5
著者 西上原裕明
本の詳細 Wordによる編集レイアウトの基本とDTP実践テクニック[2013/2010/2007対応]:書籍案内|技術評論社
わかりやすさ ★★
手に入りやすさ ★★★
手元に置いておきたい度 ★★★
上記「Wordのマクロ実践サンプル集」と同じく、西上原氏の「Wordで作ったWordの本」シリーズの一つです。
タイトルには「マクロ」や「VBA」といった単語は含まれていませんが、内容の1/3くらいはマクロについて書かれているのではないでしょうか。
注釈や脚注、目次の体裁の整え方について読んでいたら、いきなりマクロのコードが出てきてビックリしました。
書いてあるマクロは、上記「Wordのマクロ実践サンプル集」とかぶる部分もありますが、この本の主題はマクロではなく、Wordによる文書デザイン、レイアウトに関して学ぶことであるので、2つの本はまったく別物として読むことができます。
“Wordで作ったWordの本”を作るためのガイドブック」と言えるような内容ですので、Word マクロに興味が無い方にもオススメできる一冊です。
 
<番外編>

Office XP 開発ガイド

出版年月 2001/3
著者 Microsoft Corporation
本の詳細 MicrosoftR Office XP Developer’s Guide
わかりやすさ
手に入りやすさ
手元に置いておきたい度 ★★★
この本はOffice XP Developer付属のドキュメントで、Wordに限らずExcelやPowerPoint、Visioに至るまで開発関連の資料がまとめられています(頁数もかなり多く、厚さもタウンページくらいあります)。
決して分かりやすいとは言えませんが、書いてある内容は今でも通用するものが多く、非常に参考になります。
VBA開発者であれば手元に置いておいても損は無いだろうと思いますが、入手し難いのが難点でしょうか・・・。
Office 2000 Developerのドキュメントであれば「Microsoft Office 2000 Developer」から見ることができます。
 
<番外編>

Word 2010 開発者用リファレンス

出版年月 2010/6
著者 Microsoft Corporation
本の詳細 Welcome to the Word 2010 Developer Reference
わかりやすさ ★★
手に入りやすさ ★★
手元に置いておきたい度 ★★★★★
Word 2010付属のリファレンスです。もはや本の紹介ではありません。
・・・が、Wordの各オブジェクトの細かい説明や使用例だけでなく、「Application オブジェクトでイベントを使用する」方法や「他のアプリケーションとデータを交換する」方法といった、実践的なサンプルまで載っているので、マクロ開発のお供として是非とも手元に置いておきたい一品です。
(書いてあるコードをコピペしても動かなかった、といった感じでナチュラルに誤ったことが記載されている場合もありますが、そこはよくあることなのでスルーしておきます。)
Word 2013にももちろん開発者用リファレンスはありますが、2013からはオンライン版になり、しかも日本語版の記事は「(機械翻訳)」となっている場合が多いので、オススメしたいのはやはりWord 2010付属のものです。
英語版であればオフライン版も用意されているので、英語に抵抗が無い方はコチラのページからファイルをダウンロードしてお使いください。

― 以上、いろいろ書いてみましたが、Word マクロ参考本はザックリいうと“Word 97 ~ 2000くらいの時代に出版された絶版本”“Word 2003以降に出版された比較的新しい本”の2つに大別できます。

VBA Word 97/98ハンドブック」や「10日でおぼえるWord VBA入門教室」等が前者にあたり、絶版となっているだけに入手が容易くないのが特徴の一つです。内容も古くなっているものが多いので、これらの本を敢えて今から入手する必要は無いと思いますが、数冊持っていると、それを見た人に“こいつ、Word マクロ本マニアだ・・・!”と思わせることができます。
(少なくとも私が人の本棚にこれらの本が並んでいるのを見たらそう思います。)

後者の代表はやはり何といっても西上原氏の著書でしょう。
氏がWord マクロ本を出したことによって、Word マクロの知名度はかなり上がったのではないかと思います。
上記絶版本のプレミア価格を下げたのも氏の影響によるところが大きいのではないでしょうか。
大型の書店では今でも店頭に並んでいて、容易に入手することができるので、今からWord マクロの勉強を始めようと思っている方は、こちらの本を購入することをオススメいたします。

そして、これまで色々な本について感想と評価を勝手に書いてきましたが、私個人としては、一番のオススメは“Word 2010 開発者用リファレンス”です。

参考本の感想と題しておきながら、本ではないリファレンスを推すという、「コイツ、一体何考えてるんだ・・・?」的なツッコみはあろうかと思いますが、情報量やマクロ開発時の使いやすさを考えると、やはりWord付属のリファレンスがオススメだと思います。

正直、資料が充実しているExcelでVBAの基礎を学ぶ → Wordの開発者リファレンス&記録機能でWord マクロについて学ぶ → 足りないところはWeb検索する、というコンボで十分Word マクロについて知ることができると思うのですが、そこはそれ。

本には本の良さがあります。PCやタブレットが無くても手元に置いていつでも読めるという安心感、リファレンスを読むだけでは気が付かなかった、知らなかった“気づき”を得ることができるのも大きな魅力です。

というわけで、Word マクロには様々な参考本があります。
今回紹介したのはほんの一部になりますが、Word マクロを学んでいる人、これから学ぼうとする人の一助となれば幸いです。

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