情シス

情シスに必要な知識や能力とは?

先日、情シス(ここでは“情シス = 情報システム部門で働いている方、会社でIT担当されている方、社内SE”、として話を進めていきます)の方々が集まる勉強会に参加してきました。

一口に「情シス」といっても、企業の規模や業種、その会社の方針によって役割が大きく異なり、話を聞いているだけでも大きな刺激となりました。

そこで今回は、「情シスに必要な知識や能力とはいったいどのようなものか?」について、改めて考えてみたいと思います。

必要な知識や能力といっても非常ーーーに幅が広いです。
基幹システムを自社開発しているのであれば、プログラム開発やデータベース、サーバーの知識が必要でしょうし、Salesforceやkintoneといったサービスの管理をしているのであれば、それらの知識も必要でしょう。

セキュリティはもちろん、AWSやAzureといったクラウドサービスの知識もあった方が良いし、労務管理や経理、コンプライアンスや企業経営の知識も場合によっては必要です。

情シス業務の内容が多岐にわたる分、求められる知識や能力の幅も広いわけですが、とりあえず今回は、「まあ、これくらいはあった方が良いんじゃない?」的な軽いレベルのものを、自分なりにまとめてみました。

複合機のトナー交換やプリンターの紙詰まり対応ばっかりやっている、情シスと名乗って良いのかどうかも分からない、私のような人間が語ること自体がそもそも間違っているような気もするのですが、そこはそれ。
一管理部門者の戯言だと思っていただければ幸いです。

必要な知識

まずは情シスに必要な知識について、基本的なところを超ざっくりとまとめてみます。

PCハードウェアの知識

会社のPCの面倒を見る以上、必須となるのがPCの知識。
CPU、HDDやSSDといったストレージ、メモリー等々、PCを構成するパーツがどのような役割を持っているのか、それぞれにどのような規格があるのか、自作erが集う掲示板で活発に議論できるほどの知識は必要ないと思いますが、基本的な知識は必要です。

“PCまったく詳しくないのに部署異動で情シスに回された!”という方は、「パーツ買って自分で一台組んでみろ!」、とまでは言いませんが、せめてデスクトップPCのメモリー増設とストレージ交換くらいはやってみると良いかもしれません。

ケースを空けて中がどうなっているのかを見て、「これがマザーボードで、これがメモリーで、こうやってドライブに繋がってて、何故かボタン電池がくっついてる!」といった感じで、実際に自分の目で確認することが大事です。

この「ボタン電池」(CMOS)が原因でPCが起動しなくなることもよくあります。

ITリテラシーの高さにもよりますが、真っ黒な画面で変な英語のメッセージが出てPCが起動しないっていうだけでも慌てるユーザーさんは結構いるので、ハードウェアに起因するトラブルに遭遇した時、自分も慌てず原因究明ができるよう、ある程度の知識は身につけておきましょう。

OSの知識

ハードウェアと並んで必要となるのがOSの知識。
多くの企業ではMicrosoft Windowsを使っているのではないかと思います。

『OSの知識』といっても、これまた幅が広いのですが、ここでいう知識とは、「トラブったときデバッガー叩いてダンプ読んで…」といったレベルのものではなく、「管理ツールでユーザー追加して、デバイスとプリンターから印刷設定して…」、というような、あくまでも一般的なPC管理に必要なレベルの話です。

こういった知識を身に付けるのも、やはり自分で体験してみることが大事です。
キッティングを外注している場合であっても、一度は業務PCをゼロからセットアップしてみることをお薦めします。

まったくPCの設定方法が分からない、という方は下記のような解説本を一冊くらいは読んでおいた方が良いかもしれません。

ネットワークの知識

これも言い出したらキリが無いのですが、少なくとも「IPアドレスってなに?MACアドレスって??ルーティング???」といったレベルからは脱しておくべきです。

情シスをやっていると、インターネットに繋がらない、共有フォルダが突然見られなくなった、メールが送れない等のトラブルに遭遇することも多いです。
そんなとき、原因を突き止めて解決するために、ネットワークの知識は必須となります。

まずは下記のような本を読んで基礎的な知識を身に付け、2,3台の小規模なネットワークで構わないので、実際にLANを組んでみることをお薦めします。
初めて自分で組んだLAN環境で、ファイル共有なんかが上手くできると、ちょっと感動します。

アプリケーションの知識

PCを使って仕事をする以上、何らかのアプリケーションを使うはずです。
特に、OfficeアプリケーションのデファクトスタンダードとなっているMicrosoft Office = Word、Excel、PowerPoint、Outlookは多くの企業で使われているのではないでしょうか。

「G Suite入っているのに、お客様とのやり取りに必須だからExcelだけは入れている!」、なんて話も聞いたことがあります。

そう。好む好まないに関わらず、我々はExcel大先生から逃れることができません。

そのため、ヘルプデスク業務を担当する情シスにも、Microsoft Officeに関わる多くの質問が寄せられます。

  • シートが真っ白になった! ← 枠線非表示
  • 共有フォルダのファイルを開いたら何か変な警告出た! ← 他に誰かが開いてる
  • ダウンロードしたファイルが編集できない! ← 保護されたビュー

等々、挙げていったらキリがありません。
迅速に問い合わせ対応するために、業務で使うアプリケーションの知識は必要となるでしょう。

「えっ?これ情シスに聞くこと!?」、そう思う事もあるかもしれませんが、困っているユーザーさんを助けるのも情シスの大事な役目。
ユーザーさんからの「ありがとう」、その一言がモチベーションにも繋がります。

コマンドの知識

上のネットワークの知識とも絡んできますが、情シスをやる以上、pingipconfig(ifconfig)、tracertといった、よく使うであろうコマンドは覚えておいた方が良いです。

トラブル対応だけでなく、サーバー管理やPC設定、バッチ処理にも役立ちます。
若い方だとあまり触ったことが無いかもしれませんが、真っ黒い画面、CUIにも積極的に慣れていきましょう。

コマンドに関しては、下記のようなリファレンスを一冊手元に置いておくと、使い方をちょっと調べるときに役立ちます。

必要な能力

お次は、私が考える情シスに必要な能力についてです。

コミュニケーション能力

いろいろ考えた結果、すべてはここに集約されるような気がします。
問い合わせ対応するときも、仕事内容について業務部の方から話を聞くのも、困ったときにベンダーさんにお願いするときも、予算折衝で担当役員と戦うときも、結局は人との関わり合いになるので、コミュ力は非常に重要です(情シスに限った話ではありませんが)。

“コミュ力”というと非常に曖昧で広義になりますが、相手の意図を汲み取る能力、難しい言葉や事象を噛み砕いて分かりやすく説明する能力、そういった能力も含まれているように思います。

私もまだまだ足りていません。
いったいどうすれば磨けるのでしょうか?コミュ力。
経験か?経験なのかー!?

笑ってかわす能力

笑って誤魔化すと言っても良いかもしれません。
上でも書きましたが、情シスをやっていると「いや、もうこんなん私に聞かれても知らんて。マジで」的な相談を受けることもままあります。

例えばAd〇beのIllustrat〇rで、「他の人は問題無く開けるのに、私のPCでこのファイルを開いたときにこのレイヤーだけフォントがおかしくなるんですけど、どうしてですか?」、そんなことを聞かれても、正直こちらは

「そんなん環境依存かファイル壊れてるんちゃうの?とゆーか、Ad〇beさんに聞こうや!」

と思わんこともないのですが、そこは一先ず、

「すみません。すぐには解決できないので、他に事例が無いか調べてみますね!緊急の場合は他のメンバーにお願いするか、場合によっては端末の入れ替えも行いますのでー」

と、笑顔でかわしておきましょう。
かわした後で何らかの対策を講じることはもちろん必要ですが、まずはトラブルで不安がるユーザーさんを安心させる笑顔、これ、割と大事。

外部と関わり合いを持つ能力

私もそうなんですが、基本的に情シスは自社内で仕事が完結してしまうため、考え方や行動が窮屈になりがちです。

最初に挙げたような外部のコミュニティに参加する、Japan IT Week働き方改革EXPOといった展示会に参加して情報収集する、ブログで情報発信したりSNSで他社の情シスと繋がる等、何らかの形で外部との関りを持つことをお薦めします。

特に、ブログで情報発信を行うことは、自分が得た知見の整理もでき、なおかつ読者の方々や他のブロガーさんたちと繋がる機会が得られる、文章力もアップ!、もしかしたら広告収入でお小遣い稼ぎできるかもしれない、といった感じでメリット多いです。

簡単な覚書程度でも良いので、何かしら形として残しておくと、後々自分の役に立つこともあるので、面倒くさがらずに積極的に情報発信していきましょう!

学び続ける能力

情報システム周りは進歩が激しいです。
次から次に新しい技術や製品・サービスが登場し、気を抜くとすぐに置いていかれてしまいます。

例えばセキュリティに関しても、どんどん新しい攻撃手法が登場し、手口も巧妙になっています。IT資産を管理する立場である情シスを続ける以上、上で挙げたような展示会や外部のセミナーに参加する、付き合いのあるベンダーさんから最新の情報を受け取る等して、世の中の流れに追いついていく必要があるでしょう。

Yahoo!ニュース」を毎日見る、これだけでも大分情報収集できます。

おわりに

というわけで、情シスに必要な知識や能力と題して自分なりの考えをまとめてみました。
まとまっているかどうかは置いておくとして、このテーマは考え出すとキリがなく、正直、ここで書いた知識や能力だけでは足りないでしょう。
それだけ情シスって奥が深いものなのだと思います。

私も10年近く情シス(的な仕事)をやってきましたが、まだまだ知識や経験も足りません。
「学び続ける姿勢が大事」なんて言いつつも、なかなか実践できていないのが現実なわけで、自分の明日はどっちなのかと迷走している毎日です。

ですが、ここで書いた内容が、情シスとして働かれている方、これから情シスになろうという方に、ちょっとでも共感していただいたり、参考にしていただけるのであれば、これ以上に嬉しいことはありません。

あと最後に、上の方でいくつか参考になりそうな書籍へのリンクを貼ったのですが、ぶっちゃけ私はほとんど読んだことが無い本です。
申し訳ない!!
Amazonで検索して「これ良さ気やん」って本を引っ張ってきただけです。

なので何か参考書籍を買うときは、大きい書店で自分の目で確かめて、自分に合いそうな本を手にされることをお薦めいたします。

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